空と雲のあいだ -density house-







空と雲のあいだ -density house-


ふと空に浮かぶ雲を見上げると

そのままじっと見入ってしまうことがある。

もくもくしているものや、すーっと流れているもの

輪郭のはっきりしているものや、ぼやけて霞のようなもの

大きなかたまりや、小さいもの

たくさんの群れや、少ない群れ

厚みがありそうなものや、薄すそうなもの

線のように細いものや、面のように広がったもの・・・

かたちのあるようでない、白の密度だけがそこにある。

ひとを取り巻く空間の広がりというものは

目には見えないけれど

たぶんそういったやわらかな広がり方をしている。

必要な部屋の大きさを壁で規定してしまうことなく

もっと自由な、空と雲のあいだに隙間を見つけるような

なんとなく密度が濃くて物体化している場所と

なんとなく密度が薄くて空間化している場所と

変動する人の活動とそれを取り巻くやわらかな空間の広がりが

雲のようなものによって描きだされ

その内側からの風景は本物の空模様とシンクロしていく。