陽だまりトンネルのいえ
陽だまりトンネルのいえ
小さな子供2人がいる家族4人のための住宅。
敷地は閑静な住宅街のなかにあった。
角地であったが道が細く、両道路とも法42条2項道路だったので
2方向から敷地後退を迫られ、残った形は間口7.45m奥行き27.5mの
約1:4という、とても細長い敷地形状になる。
このとても細長い敷地形状をポジティブに活かした
ここでしかできない住宅が求められた。
まず、敷地に適度な木々を植え、小さな森をつくる。
つぎに住宅をリビング・ダイニング、お風呂、トイレ、寝室の4つに分け
それぞれを独立した分棟として4棟を計画し
お互いの距離をあけながら森の中に並べていった。
そうすることでできた棟と棟のあいだの外部空間には森が入り込み
適度な距離感をもって住宅でありながら独立性の高い部屋(=棟)を
たくさんつくりだしている。
採光・通風もとりやすい。
一般的な2階建住宅は
各階に配置された部屋へ行くために1階と2階に廊下を持っているが
そこは移動するだけのあまり楽しい場所ではない。
そこで本計画では廊下も外部に面する1つの部屋(棟)として考えた。
通常の2階建住宅の全廊下面積とほぼ同じ面積を保ったまま
廊下棟という1直線のゆるやかにカーブする空間に住宅の全動線を
集約するように各部屋(棟)の配置が組み直されている。
それぞれの棟を繋ぐこの長いガラスの通路によって
明るい森の中の陽だまりを体験するトンネルのような
歩くこと自体が目的になるような廊下ができたなら
そのとききっと
この細長い敷地環境は魅力的に見えているだろうと思う。